その日私はお休み。
前日、呼吸が止まったと心配していたけれど、朝は目を覚ましていた。
とりあえず一安心。
薬飲み器でポカリスエットを少し飲み、食事はいらないと首を横に振る。もう声が出ない。
呼吸はしてるけど休んでいる時間が長い。
どうやら眠ると呼吸が弱くなるらしい。あまりに長い間息をしない時は思わず「お父さん!」って体を揺らす。刺激で息が戻るけど眠らせないのも可哀想。
その日は訪看さんが早めに来てくれた。
眠ると呼吸が休みむ事を報告した。喉が動くだけは酸素が少ししか入っていない状態だそう。喉に詰まることもあるからと下の入れ歯を外した。
別の部屋で「もう近々だと思います。」と告げられた。呼吸をしていない時間が30秒以上あるし、頻繁だから。
呼吸が変わったら電話をすることになった。
もしもの場合は清拭をしてもらえるか聞いた。看護ステーションがやるのはエンゼルケアと言うらしい。ドラマの「朝顔」でやっていたな。医療行為ではないので別料金だそう。お願いすることにした。
着せたい服を用意しておかないと。娘と息子に「もう危ない」って連絡した。
その後、夫の友達が会いに来た。昔話をしてくれたら一瞬笑った気がした。
笑顔を見るのは久しぶり。良かった。
呼吸が安定しないので娘となるべく側に居るようにした。
「眠ると呼吸が休む」を聞いていたのか、今度はなかなか眠らない。
涙を流して浅く呼吸してて・・私も涙が溢れる。余命宣告からまだ3日。
3日前までは「良く聞け!」なんて威張ってたのに。
お昼を食べて見に行くと息が苦しそう。口の中を見ると泡が見える。粘液が溜まったらしい。次の訪看さんが来るまでまだ2時間以上ある。とりあえず口の中に脱脂綿を入れて取ったけど奥までは取れない。訪看さんに来てもらうことになった。
看護師さんに吸引してもらったら夫の呼吸が戻った。今度は大きく喘ぐ呼吸。息が入りやすい位置にタオルを敷き首を伸ばしてくれた。
帰り際
顎を上げて喘ぐように息をするようになったら、早い人は2~3時間でお亡くなりになります。
そう告げられた。
きうい
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