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お父さんは人に介護を頼みたくなかったよ。

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スマホの写真を整理していたら、腹水で膨らんだ夫のお腹の画像がたくさんあった。
改めてよーく見たら、もう去年の12月にはお腹は膨れていて胸はアバラが見えるほどガリガリだった。

痩せていることは承知だったけど「12月でもうこんなに痩せてたんだ」って驚いた。画像は1月、2月、3月と続き、顔が映ってるのを見ると既に頬は痩けている。腕もみるみる細くなって、亡くなった時は骨に皮を被せたかのよう。骨と腹水の重さしかなかっただろうね。

余命宣告の時に先生(往診してくれた)に言われた言葉を思い出す。

先生:私が看た時はもうすでに衰弱してましたからね。

それでも夫は「まだ治る」って信じてたよ。
声も大きかったから長くは無いだろうけどあと半年くらいかな。って私も思ってた。
一ヶ月後、先生からあと1週間から2週間って余命を宣告されたときは驚いたよ。



娘にそんな話をしたら「いつも見てるとそこまで痩せてるって感じなかったよね。」って共感してくれた。

私:1月に意識が遠くなったりして、そこで抗がん剤を止めれば良かったのにね。

娘:そうだよ。私なら12月は新しい抗がん剤を打たなかったよ。だって体力が無くて寝たきりじゃ辛すぎる。もうちょっと早く介護ベッドに寝てたら本人も楽だったよね。

私:そうね。せめてここ(コタツ)に居るときから介護支援を受ければ良かったんだよ。
無理矢理でもベッドに寝かせたら良かったかもしれない。オムツで介護の人を頼んだらお互い楽だったね。本人が自分で出来るって言うのを尊重したからさぁ。

娘:いや、お父さんは人に頼みたくなかったよ。

私:そうだね。介護ベッドに寝ても最初は「お母さんが帰って来るまで待ってる」ってヘルパーさんにおむつ交換させなかったもんね。

いろいろ後悔はあるけど、そういう話もようやく涙が込み上げずに出来るようになった。

まだ亡くなってから4ヶ月なのにもう一年以上前のような気がするよ。
嵐が去った感じ。落ち着いてきた。

 きうい

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